32.少年少女

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「じゃあシェリルも?」 「うん。」 デイジーに向かってシェリルは大きく頷いた。 「私、多分…この先も暫くお父さんの事、云われ続けると思う。」 否定は返らない。否定もフォローも無責任だ。今はただ現実を直視すべきだった。 「私、前は逃げてばかりだったから知らない事ばかり。アドレフォレストの事だって…。だから、多くの事を知って、有りの侭の目で見つめていきたいの。」 しとやかなシェリルらしい、相変わらずの穏やかな口調だった。なのに、揺るぎない。 「シェリルもNOISEか~。意外だけど似合うかも。」 エリスは温かに笑って、シェリルの決意を受け止めた。 「リクはどーなのさ?」 アレンに尋ねられ、リクは頭を掻いた。 「リクに一番似合うのはICPOとかヤードだろうけどさぁ。サンドハーストだったら生徒会くらいじゃない?」 リクは曖昧に首を振った。 NOISEと云うワードから連想するのは生徒が作る雑誌では無く、ある人物の顔。 四之宮ヲリエ。 『誰かを守りたい気持ちに、キミが背を向けてどうすんの。』 生徒会と云うワードから連想するのも、ある人物の顔。 久住月虎。 『肝据えておきゃあな、後はぶっ通しゃあいい!体は勝手に付いてくんだからよ。』 この言葉を胸に打ち込まれてから、リクは手放さなかった。
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