863人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあシェリルも?」
「うん。」
デイジーに向かってシェリルは大きく頷いた。
「私、多分…この先も暫くお父さんの事、云われ続けると思う。」
否定は返らない。否定もフォローも無責任だ。今はただ現実を直視すべきだった。
「私、前は逃げてばかりだったから知らない事ばかり。アドレフォレストの事だって…。だから、多くの事を知って、有りの侭の目で見つめていきたいの。」
しとやかなシェリルらしい、相変わらずの穏やかな口調だった。なのに、揺るぎない。
「シェリルもNOISEか~。意外だけど似合うかも。」
エリスは温かに笑って、シェリルの決意を受け止めた。
「リクはどーなのさ?」
アレンに尋ねられ、リクは頭を掻いた。
「リクに一番似合うのはICPOとかヤードだろうけどさぁ。サンドハーストだったら生徒会くらいじゃない?」
リクは曖昧に首を振った。
NOISEと云うワードから連想するのは生徒が作る雑誌では無く、ある人物の顔。
四之宮ヲリエ。
『誰かを守りたい気持ちに、キミが背を向けてどうすんの。』
生徒会と云うワードから連想するのも、ある人物の顔。
久住月虎。
『肝据えておきゃあな、後はぶっ通しゃあいい!体は勝手に付いてくんだからよ。』
この言葉を胸に打ち込まれてから、リクは手放さなかった。
最初のコメントを投稿しよう!