32.少年少女

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今も心の襞でそれらを放さないでいるという事。リクの身の置き場所を定める為では無い。心の行く先を定める為。 一息ついた。意は、当の昔に決している。ただ、口にするのを躊躇っていただけの事だった。 「俺は…しばらくどこにも入らない。」 「え?」 「アレンと同じさ。」 リクは表情を引き締めた。 「俺は、もうやる事、決めていたんだ。それはどこにいるからやれるとか、そんなんじゃない。俺だから、やるんだ。だから、しばらく好き勝手にやってるさ。」 「えー被ったー…。」 アレンが舌を出して嫌そうな顔をする。 「おめーよか健全だよ!」 「何さーそんなオレと一緒がいいのー?」 「キモいんだよ!」 一同の笑い声が花開く。 「なーんかリク格好良くなったー!ね、シェリル?」 「あ、あぁ?エリス、お前…」 「うん…私もそう思う。」 「なっ、あっ、シェリル…!」 しどろもどろになるリクにシャーロックとアレンが組み付いた。 「なぁーに勘違いしてんだよっ!」 「初なのバレちゃうよー。」 「うっぜぇんだよ、お前ら!」 牙を立てんばかりの威嚇を見せるリクとからかう二人を見て、シオは笑っていた。
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