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「う~ん…。」
シオは浮遊するデウスエクスマキナを前に考え込んだ。起動はしているがまだ指示を出していない。
シオは演習とはいえ、本気で力を振るう事に躊躇いを感じた。余り力を出し過ぎれば浮くだろう。かといって中途半端にし過ぎるのはシオの気が進まなかった。
周囲の生徒は思い思いに動かしている。
「うんぬぐぐぐ…!」
リクは赤い柄が特徴的な日本刀『鳳嘴』を抜いて、勢い良く突進してくるデウスエクスマキナを受け止めている。
リクは力任せに押し返すが、デウスエクスマキナは反転して側面から突っ込む。
リクは鍔で当たり、刀でデウスエクスマキナを滑らせてすり抜ける。
火花と白刃の反射を散らしてデウスエクスマキナが勢い良く突き抜けた。
だが、リクの背後に移ったデウスエクスマキナは反転せず背中を向けたまま突っ込んできた。
「うぉぉっと!」
リクは慌てて右に前転してやり過ごす。
デウスエクスマキナは素早くリクを追跡するが、リクの方に向いた瞬間に赤い波に包まれた。炎の波だ。
デウスエクスマキナは横に回転して炎を吹き飛ばしながら後退する。
「…バーンウェイブ。」
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