32.少年少女

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「最後はシオだな。」 デイジーに云われて、シオはあっけらかんに答えた。 「俺はNOISE行くよ。」 極々自然に答えてみせるシオ。 「へぇ、シオも行くんだ。どうして?」 「此処が、サンドハーストが好きだから。」 動機の意外さに、一同が興味を惹き付けられた。 「出会いとか、遊びとか、勉強とか、笑いとか、好きとか、友達とか、喧嘩とか、悩みとか、楽しさとか、仲間とか…。此処に来て初めて知った喜びがある。俺はその全てが大好きだ。ずっと触れていたいし、此処にいたい…。だから、サンドハースト全てを見れる所にいたいんだ。もしこの喜びが揺らがされたら、守れるようにしていたいから。ずっと見ていたいから、感じていたいから…NOISEにいたい。」 「生徒会とは違うの?」 シェリルの質問に頷いた。 「欲しいのは立場じゃない。全てを見通せる場所だから、さ。だから、NOISE。」 云い終えてシオは空を見上げた。一同も、続く。 「思ったらもう一ヶ月かー…。時間経つのはやっぱ早いぜ、アイルトン・セナの如しだな。」 「何それ。ってか逆じゃない?まだ一ヶ月。」 「あたしもそっちだな…。」 「ガーン!仲間外れ!」 「何はともあれ、一ヶ月。入学の時からもう、大分経ってるって事。私達の中の時間はそれくらい進んでいる。」 「僕らは変わったのかな。」
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