5.イン・フィーリングス

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煙が薄らぐと、カタストロフィカノンの直撃でボディが焦げ付いたデウスエクスマキナが姿を現す。シオは再び対峙した。 が、その矢先。 シオの後方から轟音が轟き、勢い良く別のデウスエクスマキナが転がり込んできた。 そのままシオの相手とぶつかり、もつれ合いながらまた轟音をたてて壁に衝突する。 「あっちゃー!やっちまった…。悪ーい!シオ!」 また後方から飛んできたシャーロックの謝罪にシオは不満そうな視線で返す。 デウスエクスマキナをぶっ飛ばしたであろうシャーロックは、隣に渋い顔をしたデイジーを置き、後ろにサボっているクラスメートをギャラリーにしていた。そこから歓声が沸く。 シャーロックはあの布袋に入れていたハンマーを担いでいた。 煌びやかな金色を塗られ、形状は打出の小槌に近い。鎚の部分にはグリフォンをあしらった彫刻が刻まれている。 「いやー、わりぃわりぃ!デイジーとどっちがデウスエクなんたらを遠くにぶっ飛ばせるか勝負してたんだ。」 「学校の備品なのに…。」 邪魔された不満より、呆れが勝ったシオ。 シャーロックはシオそっちのけで鼻高々だ。
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