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「で、何でお姫様はテレビから出てきたのですか?」
剰りにも非現実的な内容を信じざるを得ない状況に頭がパニックになった。
しかし、それでも極力敬語を使いながらテレビを抜け出して此方に来てしまった(と思われる)彼女に尋ねた。
すると彼女は少し顔を俯かせた。
聞いてはいけなかったかと慌てて弁解しようとしたが、それより早く彼女が口を開いた。
「100年以上の長い長い幽閉。
冷たい寒い部屋。
光の射し込むことの無い闇。
自殺することも赦されない呪い。
塔から出れば不老不死の呪いは解けるけれど強いドラゴンが居る。
そんな絶望に満ちた空間にいきなり暖かそうな世界がスクリーンのように映し出されれば手を伸ばさない方が無理だわ。」
悲しげに、苦しげに、しかし安堵と喜びが入り混じった笑みに俺は言葉を無くした。
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