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2 ならしと仲間たち
週明けの月曜日、稲馬は初めて部活に参加した。
稲馬は「ならし」について図書館やインターネットで調べておいたので、だいたいどんなスポーツなのか理解していた。
(でも属性とか必殺技とか意味が分からないんだよなあ)
由紀奈は稲馬と同級生だった。
(新入部員っていってたっけ?)
練習前に、新入生の自己紹介タイムがあった。
市立伊南毛高校ならし部は三年生10人、二年生6人、今回稲馬と同級生があわせて14人入って、さらにマネージャーが3人いる。かなり人気があるようだ。
まず一番印象に残った人は三年の矢色部長。背が高くてカッコイいのだが、なにしろ声が好きだ。その美声で「あっぷいきまーす」や「さあ~て~ならすかあ~」など部活の号令をかけてくれるそうだ。早く聞いてみたい。
あとは二年生の夜野先輩(めさめさイケメン)
や老川先輩(みんなからはケイタ先輩と下の名前を呼ばれている)
などが部の中心のようだった。
(でも…由紀奈とケイタ先輩…仲良しだなあ)
稲馬はじゃれ合っている2人を見てジェラシーを感じてしまった。2人は同じ中学校のならし部の先輩と後輩だったらしい
ここで稲馬と同級生たちの自己紹介もあった。
「渡部宣明です。種目は長距離削りを中学校からやっているのでまたやろうと思います。」
ここで先輩たちがざわめいた。
隣の大他輪君(名札で確認した)が話しかけてきた。
「君、渡部ってならし界ではかなり有名な人だよ。知らないの?」
(なんだ、馴れ馴れしい奴だな)
「知らないな。俺初めてだから。ならし。」
「そっかぁ。おれ、大他輪敦。本唾中だった。よろしく。」
「俺は川戸二位の稲馬。よろしく。」
「すげー。モテるでしょ?」
ここで林君が自己紹介し始めたので会話は途切れた。
一年は真面目でいかつい川口、自称ゲイの沼部、ならしに詳しい林、明るい顔の高畑、少々か弱そうな小平、あとは今日は休みの岩海、中学からの経験者大他輪、中学では全国大会の経験がある渡部など、個性的なメンバーがそろった。
(よくわかんない奴が多いな。まあ俺には由紀奈ちゃんがいるから…むふふ…なはなはなは)
とりあえず顧問のサムソン先生、副顧問の蚊語録先生がきて、メンバーがそろった❗
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