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「さあ~て~けずるかあ~」
グラウンドに矢色先輩の透き通った美声が響く。
ところでならしというスポーツには複数人でやる場合二つの役割が生まれてくる。
一つは「けずる」
トンボを持ち、地面を平らにする役割で、削り専門の人は「ケズラー」と呼ばれる。
二つ目は「ならす」
ブラシ(巨大なデッキブラシのようなもの。部活をやる人はわかるだろう。)をもち、平らにした地面をコーティングしていく役割で、ならし専門の人は「ナラサー」と呼ばれる。
つまり矢色先輩はさっき削る時の号令をかけたのだ。
ところで、読者は先程から「属性」ってあったよね?と思っているはずなので説明していこう。(稲馬は由紀奈に詳しく教えてもらった。小平はまだよくわかっていない。)
属性は、初めて地面にトンボ、またはブラシをおろしたとき、手からでる炎、水、風、土、雷、のいずれかの兆候によりわかる。
属性はその5種類があり、ならしの経験を積み重ねると属性技(例えば風をつかい地面の上のゴミを排除など)を使えるようになる。属性はうまく均すためにはもっとも重要なことだ。
ちなみに矢色部長は風、夜野先輩は土属性だ。
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