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まあ、行方不明といっても、柳は休みの日にはふらっといなくなることがある自由人間だから、最初は気にしていなかったんだ。でも、さすがに七日、音信不通になれば誰だって心配する。家族にも何の連絡も来ていないらしいし、私にもない。恋人の、私にもないのだ。
「陽がすきだ。」 其の言葉だけが、私を支えていた。ああ柳。私のことを見捨てないで。どうかそばにいて。私だけを見ていて欲しい。
その、眼鏡の奥の、本当はすごく、きれいな其の目で。私だけ映していて欲しいのに。どこにいるんだよ、ばか。
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