春から高校生!

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俺本当に弱い子… 自分に悲しくなりながら玄関の扉を開けた。 「はいはい。どちら様ー、ってお前か」 「うん。こんばんは。お姉ちゃんが作りすぎたからってお裾分けに」 そいつの手には大きめな器があった。 「煮しめか。ありがとな」 「ううん。夏くん達とは家族同然だから気にしないで」 そしてそいつは微笑む。 こいつは隣に住んでいる同い年の時節夏希(しせつなつき)。いわゆる幼なじみって奴だ。 「明日礼を言いに行くと伝えといてくれるか?」 「いいよいいよ。お姉ちゃんが押し付けただけなんだから」 「そういう訳にはいくか。必ず伝えなさい」 「はーい。本当にこういうのだけはしっかりしてるんだから」 「礼を言わない奴は本当に最低な奴だと思うのであります」 「分かった。それじゃあね」
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