an amorous letter*

8/11
前へ
/37ページ
次へ
思わず目を見開いた。 あまりの不気味さにぞくっと背中がした。 そして、すぐに周りを見渡したが、それらしき人はいない。 いるのは、暑さを涼むために足を運んできた親子連れや、眼鏡をかけて新聞を読んでいるお年寄りの人たちだ。 これはきっと誰かのイタズラだ。 そうに違いない。 きっとこんな手紙を見た私を面白がっているんだ。 何にも深い意味なんてない。 そうよ。きっと今日はついてなかっただけ。 今日だけ、今日だけ。 そう自分自身に言い聞かせ続けた。 だけど、 次の日もその次の日も 全くおんなじ手紙が おんなじ内容の手紙が 私が昼寝をして目が覚めたときに置いてあった。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加