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「アルト…まだ眠いよ~」
目をコシコシと擦りながら、此方に向かってくる銀髪の幼女はまだ寝足りないのか、ソプラノボイスで軽い文句を言ってきた。
「もう時間だからしょうがないだろ。何なら置いてくよ」
「それは嫌!」
そう言いながら、ギュッと俺の腰に抱きついてきた。
これじゃあどちらが年上なのかわかったもんじゃない。
そんなことを思いながら、俺はしゃがんだ。
「じゃあ着くまでおんぶするから、文句言うなよ」
最早日常茶飯事となっているそれをいつものように行う。
「アルトの背中暖かい」
そしていつの間にかシェリアは俺の背中に乗っている。
俺の首に当たるシェリアの細い髪が些か擽ったいが、いつものことなのであまり気にせずに俺は目的の場所へ向かった。
もちろんシェリアはすやすやと気持ち良さそうに二度寝をしている。
目的の部屋に着いた俺は、シェリアを起こし、そして背中から降ろしたあと、その部屋の扉を開けた。
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