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「失礼します」
そう言いながら入った部屋は真っ白な空間…ではなく、何故か青空をそのまま部屋にしたような摩訶不思議な空間になっている。
実際に空ではなく魔法を使い造り出した模造空間である。
聞いた所によると、俺たちの住んでいる建物を建てた人のちょっとした趣味らしい。
しかし幾等偽物とはいえ、雲は動き、風が吹いていて、しっかりと太陽が存在しているため、偽物と分かっていても、実際に空に立っている様な錯覚を覚える。
そんな空間に不釣り合いな魔法陣が部屋の中央に展開されている。
そしてその魔法陣の上に今、俺たちは立っていた。
「「お疲れ様です、総隊長」」
「二人ともご苦労様」
笑顔で俺たちを迎え入れたのは、やや中性的な顔立ち、1本に束ねられた赤い髪そしてとても40に近い様に見えない目の前にいる男性は、我等が総隊長、クロイス=ハーヴェントその人である。
「今日の任務の詳細だ。目を通してくれ」
そう言って、クロイスは1枚の紙を渡してきた。
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