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「――近藤さんへの報告は、一年後にしようと思う。だが、これからはいつでもここへ来い。四十九日後だけでなく、泣きたくなったらここへ来い。いつでもこの場所を貸す」
斎藤の言葉に、煌耶は嗚咽を漏らす。
「んくっ……! っ……!」
泣き声を押さえようとする煌耶をそっと包み、斎藤は不意に彼女の顔を覗きこんだ。
彼の行動に、煌耶は涙で濡れた顔を真っ赤にする。
「み…見な、で……」
両手で顔を覆うが、手首を掴まれ、じっと見つめられる。
そして、斎藤はまたそっと煌耶の唇と己の唇を重ねた。
「んっ……ぁ…」
苦しくなり始めたころで離されて――気付けば床に寝かされていた。
「は……一さん……?」
「煌耶……愛している」
言い、煌耶の上に重なる。
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