一、終わりの始まり

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仕事が定時で終わり、有紀と食事をすることになった。 「ねぇ春華、そういえばお昼に借りて読んだ本に面白い内容があったんだけど…」 「えっ?そんなのあった?」 「えぇ。『人は終わりから始まる』って言葉」 「あぁ、そういやそんなのあったっけ。私あれよく分からない。始まって終わるなら分かるけど…」 「そうかしら?私には分かるわよ?だって…前世の自分は死んで…つまり終わって、今の自分が…始まりになるんだもの」 「そう言われたら…ちょっと分かるかな?」 有紀の理解力は凄まじい。 終わりの始まり…か。 私たちは今まさに終わって…始まりを迎えているんだな… そう…前世の終わりから…現世の始まりへ…
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