一、終わりの始まり

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有紀と別れ、家路に着く。 そしてまた本を読み返す。 「ホント、なんで私こんなの買っちゃったのかな…?」 本を捲って独り言を呟く。 『人間は皆生まれ変わる為に命を落とす。その時、無に戻った魂には前世の記憶が消える』 …ありきたりな内容だ。 覚えてたらどんだけ記憶力ある魂なんだか(笑) 「はぁ…馬鹿らしい」 私はページをろくに読まずにただペラペラ捲る。 が、最後の欄で妙に気になる文を目にした。 『人は現世に強い未練…想いを残したまま死ぬと、例え輪廻転生してもその想いは消えることはない』 「…想い…ねぇ…」 私は何も感じたことはないけど… 私にも…あるのかな?
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