二、運命の歯車

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私はできる限り有紀のよさを内山さんに話した。 内山さんは聞く度に嬉しそうな顔をする。 「そうか。まだ彼氏はいないんだな?」 「えぇ。あっ、有紀は強くて安心する人がタイプだって言ってましたよ?」 「そっ、そうか!」 私はもう内山さんに対する苦手意識がなかった。 たった数時間の間なのに… 内山さんへの見方が変わったから。 「今日はわざわざすまんな。礼にここは奢ってやる」 「あっ…ありがとうございます」 「また…これからたまに話をするかもしれん。お前の番号教えてくれるか?」 「いいですよ」 私たちは番号を交換して別れた。 内山さんって…案外優しいんだな… というか、ちゃんと相手を気にしてくれるんだ…
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