一、終わりの始まり

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「何読んでるの?」 不意に後ろから声をかけられた。 「あっ…有紀。いや…」 「あら?何か面白そうな本を読んでるわね」 「恥ずかしいです…」 そう。私佐伯 春華が今読んでいる本は『前世と現世の繋がりについて』というなんともおかしな本。 別に前世とか何も興味なかったのに何故か気になってしまって買ってしまった。 「どうして恥ずかしいの?」 「だって…午後の寛ぎタイムにこんなおかしな本読む奴いないでしょ普通…」 「そうかしら?私はこういうの興味あるわ」 有紀は笑いながら言った。 いつも思うんだけど… この笑顔は気を使ってるのか本心から来てるのかサッパリ分からない。 だって有紀…めちゃめちゃ愛想いいんだもん…
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