旅立ち

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この国の王らしい偉そうな奴に呼ばれて城へやって来た俺。 いきなり指差して命令されたんだが……意味わからん。 「勇者よ! 世界を救う為に旅に出るのじゃ!」 「……は? 絶対嫌だ」 何で俺が世界とか救わなきゃなんねぇんだよ。 んなこと正義感の強い物好きにさせろよなー。 「何を言っておる! お前は勇者であろう!? 勇者には世界を救うという使命があるのじゃ」 「…俺今口に出してたか?」 「あぁ、バッチリな」 「ちっ…つか聞こえてたんなら俺が嫌がってんのわかってんだろ?」 「確かにその気持ちはわかった……だが、無理矢理にでも行ってもらうぞ」 「あ゙? 嫌だっつってんだろ?」 「ふっ……そう言うと思っておったわ。だが良いのか? 今回は、もし行かなければ……」 「? 行かなければ……?」 「勇者の名を剥奪じゃあ!」 「………別に良いけど」 面倒な旅とか訓練とかしなくてよくなるから、逆にありがたいな。 「なっ! 勇者でなくなることの意味を知らんのか!?」 勇者でなくなることの意味? なんだそれ? 「勇者辞めたらなんかあんのか?」
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