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「ああ……。うーん……、いーちゃん……えっと……。起こしにきてくれたんだね……さんくー」
「いや、寝かしに来たんだけどね……。なんだよなんだよ、お前が夜に寝てるなんて珍しいな、友。それとも、ひょっとして今寝たところなのか?」
「三時間くらい寝たはずだよ。昨日はね、ちょっとね……色々あったんだよ、いーちゃん。あと五秒待ってね……、……、……、おはよん!爽やかな朝だね!」
「……って、あれ、まだ全然暗いじゃん。じゃあ別に爽やかじゃないね。やだよねー。朝起きたときにはやっぱり太陽が高く昇っていて欲しいもんだよ」
「それは昼だ」
「それにしてもよく寝たよ」
「三時には寝たんじゃないかと思うね。昨日はちょっとやなことがあってさ、僕様ちゃん、ふて寝しちゃったんだ。不愉快な気分のときには寝るのが一番だからね。睡眠、それは神が人間に与えた唯一の救いである、みたいな。さてと、いーちゃん」
「何だ?友」
「ちょっとじっとしててね」
ぼくに戸惑う暇すら与えずに玖渚はがばと、ぼくに抱きついてきた。それはしなだれかかってきたと表現した方が正確なくらい、完全にぼくに体重を任せていた。玖渚の小さな頭が、ぼくの右肩に載る。身体が密着して、玖渚の細い腕がぼくの首に回る。
ぎゅ。
別に重さは感じないけれど。
「……あの、玖渚さん?」
「じゅーでーんちゅう」
いーちゃん/友
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