背番号2…入学前の一波乱

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背番号2…入学前の一波乱

〈チチチッ…〉 朝、俺は雀の囀りで目を覚ます。 爽やかな朝だ。天気もいい。目覚めも最高。 俺はベッドから体を起こす。そして、目覚まし時計を見る。その瞬間我が目を疑った。 その時計は、【9:40】と表示している…。 「遅刻じゃん!入学初日から遅刻じゃん!」 ベッドから飛び出して慌てて制服に着替える。制服は近くの竜神学園のものだった。青色の学ランだ。 龍神学園までは、チャリで20分はかかる。そして入学式は10時から。間に合わねーよ?絶対に。 そうこうしている内に着替えが終わり、家を飛び出す。アパートの階段を一気に駆け降りて、下に置いてあるチャリに飛び乗る。 信号が赤でも無視。街角から子供が出てきても無視。〈ドン!!ガチャン!!〉…その子供を轢いたけども無視。『俺の隆(さっき轢いた子供)を轢いたのはキサマかぁあああ!!』。ヒィイイイ!!さっき轢いた子供の親が出てきたけど無視…できない!?なんで追いつくの?チャリだよ?こっちは。少なくとも、スクーターを追い越すくらいのスピードで走ってるんだよ?下り坂だから。あなたは何者?モンスターなの?あなたはモンスターペアレンツなの? 俺は朝から、怪物に追いかけ回されることになった…。 結局振り切ったが、学校からかなり離れてしまっ…てない!?もしかして、そこに見えているのは龍神学園!?良かった。助かったなぁ…。 そう思いながら、角を曲がる。そして、曲がり角に立っていた人を見て、我が目を疑う。 「Welcome」 そう言って立っていた人は、さっき轢いた子供のお父さんだった。
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