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▼1.0
屋内とは思えぬ暑さ
少しでも涼しい所を、と探してみたものの室温は熱気で飽和。窓からの風も、無い。
ただ暑い。
玉になった汗がじっとりと耳の後ろを伝うのと同時に、乾ききった口を開いた
「みずー、水とって……うわぁっ、温いよこれ、いつの」
「…腐ってないから飲めるよ」
「いやそういう問題じゃねーよ、これは…」
水を汲みに行くほどの水分が身体に残って無くって、それ以上何か言うのも億劫で、少しでも動こうもんなら自分の熱気で倒れてしまいそう
横になってフローリングに頬をつけてみるけどちっとも冷たくなくって、べとべととへばり付くだけ
体温を逃がそうと、ごろごろ転がっていると腕に砂がついた。
「掃除しとけやー」
あれだ、運動会から家に帰った後みたいな。靴下脱いだ時の不愉快さといったら。きゃー!!
…あーうぜー 砂うぜー
蝉が窓ガラスにバリバリバリバリっと羽音立ててタックル。
うーん、不愉快
そんな頑張っても中には入れねぇよ。
外気と肌が触れるだけで神経が逆なでされるこの状況で、何故この部屋に来てしまったのか。呼ばれたから来たんだっけ?自分から押し掛けたんだっけ?つーか、何するつもりだったんだろうそんなことはとうの昔に、忘れた
いや、忘れさせたんだ。この暑さが。すべて悪いのは夏とクーラーが無いこの部屋の所為だ。熱を冷ますことも、打ち勝つほどの精神力も持ち合わせて居ない。非力だ。
状況を変えることは1人じゃできない
じゃあ2人なら?
もっと無理
隙間風を起こす運すら持ってないんだから。
これはもう、
「決まってるんだ」
「…何が」
続かない('・ω・`)
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