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不意にコンコン…と
ドアをノックする音
「ほいほい、ヒロ君お出迎えしてきて」
申し遅れましたが、僕の名は
雛形 洋樹(ひながたひろき)
今年で22歳、高卒
彼女無し…くぅ…
「はい、どちら様ですか?」
…ガチャリとボロい、いやいや、少し立て付けの悪いドアを開けると
なんだか顔色のよろしくない、見たところまだ未成年?の少女が1人立っていた
「えっ…と、すみません突然」
今にも消え入りそうな声だ
「あの、巽さん…ですか?」
「あっ、いや僕は…助手の…」
なんだか悪いことしてる気になるのは何故
「巽さんなら奥にいますよ、どうぞ入ってください」
「はい、では失礼します…」
まだ昼下がりではあるが
薄暗い蛍光灯しか光源がないため
余計に少女の顔色は
酷くみえるような気がした
「巽さん、こちらの方が…」
「うん、わかってる。奥で話聞くから、君は掃除の続きを頼むよ~」
巽は少女と二人
奥にある小部屋へと入っていく
「ちぇ~、初めてのお客さんなのに僕は部外者扱いかよ…」
ひとりごちりながら、ほうきを手にした
というか掃除位しかやることもないんだけど…
仕方ないか、と
軽くため息を一つして
僕はイソイソと掃除を再開した
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