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「まっ、君の考えてることはわかる」
言いながら
キィンっといい音を響かせ愛用のオイルライターでタバコに火を着ける
「あと三年待たないと犯罪になるしな~」
「って、それより巽さん、彼女から依頼受けたんですか?」
色々突っ込みたい所だが、それが一番気になる
「ん、うん。受けたよ。久しぶりに仕事だなぁ」
ふーっと煙を吐き出す
僕はなんだかわからないけど
わくわくしてきた
探偵と言えば、シャーロックホームズや明智小五郎、体は子供、頭脳は大人な…
「あれあれ、ヒロ君、なに目を輝かせて?キモチワルイ」
「へ…?キモチワルイて…」
なんだかとっても
一発殴りたい
「ん~、まぁウチはそんな期待するほど華やかな仕事は来ないし、しないよ」
相変わらずニヤッとしながら
頭をボリボリ掻いている
「じきにわかるよ、君の正式採用も今回の依頼いかん、になるしね」
キラリ…と普段はぼんやりしている目が一瞬鋭く光ったように見えた気がした
「は、はぁ…けど巽さん、あの子の依頼ってか依頼料とか払えるんですか?」
正直一番気になるのはソレだ
給料ってちゃんと出るよな…?
巽は返事の変わりにタバコを灰皿に揉み消しながら
ピースサインを反対の手で作って見せた
…余計不安になった…
「そんなことより、ヒロ君運転できる?」
「へっ?一応免許持ってますけど…」
「よしよし、じゃあ…」
そして三日が経ち
僕は巽さんと共に、町から遠く離れた
山へとドライブをすることになったわけだ
なんか、夜中じゃないとダメらしく、未だに
依頼の内容も、どこへ向かうかもわかってないんだけどね…
…やっぱり不安になってきた…
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