1.眠り姫と小姓

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ちゃぽぉ~ん・・・・♪♪  広い湯船に顎まで浸かり……髪を解かぬままに、頭上にタオルを乗せた。 「『月下早乙女丸』か……? いくら、家宝って言ったって……あれが憑いてるなんて……。 ダイイチ。頭の上にあんな物騒なもの置いて……。 父さん……よく、あの部屋で寝てられたよな?」 『月下早乙女丸』に憑いている者……月丸。 「なんか……刀よりも、あれ(月丸)にデンジャラスを感じるのは、僕の気のせい?」 いやあぁ~♪それわぁ~……。 髪に縛られたゴムを外し、ザーザーとシャワーを浴びる。 ブクブクと泡立てると、優しい花の香りが浴室に漂う。 「あ?いけね…! ねえ、誰か……リンスとって♪」 病院の風呂場であれば、必ず誰かがそばにいてくれたのだが……。  手で顔をクシクシ擦ると、泡が妙に目に染みた。 「リンス……リンスっと。」 目を瞑ったまま手で探ると…… 「これで、御座ろうか?」 両手を添えて、赤いキャップの付いたボトルを渡された。 「そうそう!こっちの赤い蓋の方がリンス……?……!? って!なんで、お前がここにいるんだよ! 入ってくんな!って言っただろう!」
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