1.眠り姫と小姓

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「長谷川さん。 何?その堅苦しい三つ揃い? 凄い違和感なんですけど……」 ……って?突っ込み所は、そこかい!! 「だって、風呂場でおしゃれしたって……ねぇ。」 まあ、そりゃそうだけど……もっと突っ込み所があると思わない? 「わたくし……執事ですから♪ それより、若。 入浴なさる時は、わたくしか莉都花に一声おかけ下さい。 浴室で倒れられでもしたら……わたくし、亡くなられた旦那様に顔向けできません!」  バスタオルで丹念に体を拭いてもらう……。 肩に掛けてくれた浴衣に袖を通すと、ミドルグレーな執事は体を低くして帯をしめてくれた。 「ありがとう。 でも、貧血も起きてないし……体拭いて着替えるくらいは、ひとりでできる…………うーん。パジャマじゃないの?」 ミドルグレーな執事が微笑むと、目尻に微かにシワができた。
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