1.眠り姫と小姓

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 小姓姿の少年はヒラヒラと紙のように宙を飛び、障子に当たって煙のようにパフンと散った。 「ハァハァハァ……」 息があがる。 「殿。夜伽が必要とあらば、是非ともこの月丸めに……。」  少年にしては、少しだけ大人びてきた整った顔を真正面に持ってきた。 「……(怒)」 声を出さずに、キッ!と小姓を睨み付けると、小姓はポッと頬を染めて目をそらした。 『そのきれいな青いお目々で見つめないで……ポッ』 「……」 ハァ……っとため息をついて、すっくと立ち上がる。 「殿~♪カモン♪殿~……トノ?……」 座敷にひかれた布団の上に腕だけ出して、おいでおいでをしている小姓を放って……白雪は開けた障子をパチンと閉めて出て行った。
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