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「ただいまー。」
光司郎が帰宅すると、彼の両親はどたどたと玄関に駆けてきた。
「おかえり光司、あんたもすみに置けないねぇ、こんなべっぴんさんを貰っちゃって。」
彼の母は、とても嬉しそうだ。
「光司ー!ずるいぞ!?あぁ、母さんもこれぐらい若いときはーーー」「なんですってコラァ!?」
そんなことを言った父を、母は巨大なクワを使って追いかけまわしている。
「ねぇ、光司さんのご両親って、なにやってるの?」
「うーん。一言で言えば農家だけど、こんな物騒なモンを振り回してるから、よくヤクザと勘違いされちゃうんだよね。仮にも自衛隊に入ってる息子がいるのにーーー」
やれやれ、と、言わんばかりである。
「じゃあ今日はもう遅いから、二人とも寝るといいわ。百ちゃんはあっち、光司はあっちね。」
別々の部屋で寝ることになった。
その頃天摩皇。
「あの二人は、当分は大丈夫だろう。あとはーーー」
「アザエルさんーーー?」
暗闇から声が聴こえる。
「フィリーか。」
「酷いなぁ、私だけあっちの大陸に残して、一人でこっちに来ちゃうなんて………。」
「ああ、悪かった。だからその物騒なもん下ろしてくれ、怖いから………。」
彼女は、大きな棍棒を持って、歩み寄ってきたところだった。
「で、クトゥルフの居場所、分かりましたか………?」
「いや、ただ、十年前に落ちた隕石とやらから、強大な魔力を感じるな。最近騒がれてる水生生物とやらも、これから出てきてるみたいだ。だがなぜか日本ばかりを狙う。」
「ここには、たくさんの神や妖怪がいます。それを刺激すれば………。」
「ああ、間違いなく人間は争いに巻き込まれる。」
「頼みますよ、天下無敵の魔王様。」
ネフィリムはニコッとした。
「やれやれ。」
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