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この日、新潟の街は夏祭りであった。となれば定番のあれである。
「百ちゃん。僕と一緒に夏祭り行かないかな?」
「いいの?」
もじもじしている百、何を恥じらうのやら。
「いいこてさ、行こう。」
この時、最悪の事態はやってくるのだった。
「人間の世界のお祭りってこんな感じなんだ………。」
「うーん、黄泉の国のお祭りって、どんな感じなの?」
なぜか顔を赤らめる百。
「いや………。ちょっと、まぁ、楽しいよ。かなりスゴいよ。今度いっしょに行く?美味しいものいっぱいあるよ。人肉とか………。」
この瞬間、光司郎の顔は青ざめ、血の気が引いた………。
「ん?どしたね?」「共食いだぁあああああ!」
「ごめんなさいね光司さん。わたしよく天然とか言われるから、」
「人間社会に疎いなら仕方ないよ。僕と一緒に慣れていこう。実は僕も世間から離れてたから、ちょっと懐かしいみたいなんだ。」
いい雰囲気になる二人。しかし、ここで邪魔が入らないと面白くない。
「あ、神情くん、ひっさしぶりぃ!」
そこには、なんだかよく分からない短髪の女の子がいた。身長は162センチほど、体育会系のようだ。
「あの………。どちら様でして………?」
「あれ………?輝(かがやき)じゃないか、なんでここに?」
「光司さん、どなたで………?」
「幼なじみの輝だよ。」
「神情くん。誰!?」
かなり過剰に反応している輝。
「ん~?僕の彼女かな………?」
「な、ななななな、なんですとぉー!?」
一体全体どうしたのやら。
「?」
「気にせんでいいがね。じゃあね輝。」
「なんでこぉなるの!?」
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