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一方、こちらは百の夢の中。丘のような、崖のようなところから、海と夕陽が見える。
「あの人、輝さんだっけ?光司さんの幼なじみか………。
光司さんは、ああいう女の子が好みなんだろっか………。顔もよかったし、胸も大きかった。わたしなんて………。」
「そんなこと気にしなくていいんじゃない?」
いつのまにかネフィリムがいた。
「誰………?」
「あなたたちが天摩皇と呼ぶ人の妻です。で、あなたは、もう光司くんの奥さんなんだから、気にしなくていいんじゃないですか?」
「旦那の好みに会わせるのが、妻です。」
「あなたは、本当の自分を、あの人に好きになってほしいんじゃないんですか?」
「はい………。」
「まぁいいでしょう。これをあげます。」
謎の木の実を渡された。
「これはーーー」
「その昔、神の志を裏切った原始人類は、これを食べ、知恵と体力を手に入れたのです。」
「それで、どうしようと………?」
「あなたは、その貧相なものをなんとかしたいのでは?」
「うっ………。わかりました。受け取ります。」
翌日。
「ふぅ、変な夢見た。ん?」
着替えている百。
「やった………。やった。夢じゃなかった!」
はしゃいでいる百を、遠くからネフィリムと天摩皇が観ていた。
「よかったんですか?あの二人をたぶらかして。」
「人聞き悪いなぁ。あの二人の中に、『太陽』があるか否か、見るためだよ。それには、まず二人ともコミュニケーションを取らねばな。」
「確かにかつての私たちのように………。」
二人は消えていった………。
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