君が叫んでいる。メギドの丘で………。

7/13
前へ
/126ページ
次へ
 ある日の昼下がり。光司郎と百は、いつものように新しい基地を建設する場所へやってきた。 そこには、なにやら怪しげな塔があったが、二人はあまり気にしなかった。 その後二人は、太夫浜をうろついていた。 「いやーそれにしても、新潟の海はきれいでいいなー」 光司郎は、百の言葉に唖然とした。 そこには、青い空、白い浜、そして………、汚い緑色の海が広がっている。とてもきれいとは言いがたいものだった。 「そ………そうかな………?」 「黄泉の国の海はどろどろしてて、人の足とか浮いてるし、なにより入ると亡者たちが足を掴んで引きずり込んでいくから、ぜんぜん楽しくないんだわ………。」 これを聴いて光司郎は、かなりの恐怖を覚えたが、百が楽しそうなので、ホッとした。 「それじゃあ、泳ごうか………。」 「うん。あでもそのまえに………。」 「?」 (マジか………。) 百は、半透明の液体が入ったビンを持ってきた。どう見ても日焼け止めであった。 「背中に塗るの、難しいすけ、光司さん頼めないかね?」 「僕でよければ喜んで………。」 しかし、彼女は水着姿。一言で言えば、色っぽい。だが、光司郎はあたかもそれが当然とばかりに、素早く日焼け止めを塗り、あっという間に終わらせた。 「ありがとう光司さん。わたし日射しに弱くてね。おまけに今日はあっちゃいから、どうもダメで………。」 「いいっていいって、困ったときはいつでも言ってよ。さて、泳ぐぞぉおおおお!」 「おー!」 後に、二人は死にかけることとなる、
/126ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加