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光司郎は、慣れた手つきで水生生物の懐に剣を突き立て、それをぐいぐいと押し込んでいった。百もそれを真似て、どこからかどすのようなものを取り出し、水生生物の懐に突き刺していく。
しかし、次から次へと、たくさんの水生生物が集まり、とても二人では手におえない数になってしまった。
「くそっ!キリがない………。どうすればいいんだ………!?」
ふと、そんな言葉を口にした矢先に、一人の青年が現れた。彼は右手にチェーンソーを持ち、水生生物に斬りかかっていった。
「やめろ!天魔は人間に太刀打ちできる相手じゃない!」
光司郎が叫んだ次の瞬間、青年のチェーンソーは、水生生物を真っ二つに切り裂いていた。
「え………!?」
「………。」
青年は、無言で去っていった。
二人は、夕方の街を歩いていた。辺りは黄金色の夕日に包まれ、町行く人々の表情には………、活気が無かった………。
「なんか、気味悪いな。」
光司郎がその一言を発したとき、周囲の人々が目の色を変えて、光司郎に襲いかかった。ある者は鉈を、ある者はノコギリを、またある者は剣スコを振り回しながら………。
その集団に囲まれた光司郎に、ビルの上から一人の少年が見下ろして言った。
「彼らは僕たちの優秀な改造人間、古いんだよ、君はーーー」
「改造人間だと!?ってことは、これはヴィシュヌの仕業なのか………!?」
「さぁね、ただ、そこの娘さん、ちょっと貸してもらいたいんだよねェ、でないと殺しちゃうよ………?」
少年の言葉に、はいそうですかと従う光司郎ではなかった。
「やってやるさ!変身ッ!」
その直後、光司郎は、夢を思い出した。もし背中に、太陽神ルーの力を解放するものがあるなら、それにかけようと思った。
「行くぞぉおおおおおおおおおおおおおお!」
光司郎は飛び出していった。
遠くから観ていた天摩皇。
「これ、勝てると思います………?」
「べリアルは基本形成をイモリの遺伝子から造っている。あとはまぁ、彼の中の『太陽』次第かな………。」
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