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そんな彼の平穏は、その後すぐに崩れ落ちるように消え去った。
「えーっ、それでは席を決めたいと思います。二人は、教卓の前でいいかな?」
百は普通に反応したが、光司郎は違和感を覚えた。
「先生!教卓の前には既に人がいますが………。」「文句あんのかぇ!?」
先生の絵が劇画になり、明らかに敵意を持った顔でこちらを見ている。
「いいですよ先生、わたしたちは後ろの方へ行くすけ。」
「そうですか、わかりました。」
(僕と百ちゃんで反応がぜんぜん違う………。)
二人は一番後ろの席に、隣同士で座った。
「百ちゃん、あの先生普通じゃあないよね………?」
誰にも聞こえないように光司郎は言った。
「あの人、おとっちゃんの部下の、夜叉さんって鬼だわ。」
「なんで学校に!?しかもクラスの人たち突っ込まないよ?なぜ?」
その時、先生が大きな声で喋りだした。
「えーっ、これまで体育の熊岡先生が担任でしたが、彼が男にも関わらず産休を取ったので、今日から私、夜叉が担任をします。科目は体育です。」
その後、彼は光司郎を睨み、言った。
「百様に手ェだしたら、どうなるかわかってんかぇ?」
光司郎は、純粋な恐怖を覚えた。
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