最強男

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 一限目、ホームルーム 「はい。皆さん転校生のお二人に、自己紹介してください。」  その後、出席番号順に自己紹介していった。 「これから、僕の命が取られませんように………。」  ただただ祈り続ける光司郎。  しかし、次の言葉でこの願いは打ち砕かれる。 「三島輝です。いやー、この間のお祭りで、神情くんと百さんがいっしょに歩いてたの見たときは、ビックリしたよ!」  その直後、クラス全員の殺意のこもった視線が、光司郎に向けられた。 「………。」 (なんなんだこれ!僕は何をした!?ていうか、なんで輝がここに!?)  そんな疑問を抱いていた光司郎は、放課後、屋上に呼び出され、リンチにあった。  橋の上に、一人の男が立っていた。顔には生気が宿っていない。 「百ちゃん。僕はどうすればいいの?こんなことで君の旦那さんを名乗れるの?」  今、彼の目には、夕陽に百の影が重なって映っている。 「………百ちゃん。僕に微笑んでくれるんだ………。今いくよ。」  彼が崖っぷちに居ることは、言うまでもない。 「大丈夫かい?」  何処からか、天摩皇がやってきた。 「あんたか、こういうとこ、来れないんじゃなかったの?」 「あまりにも君が大変そうだから、身体の負担を承知で来たんだよ。しかし、あんたこんなんでいいのかい?」  この一言に、光司郎はカチンと来た。 「良いわけねぇだろ!?こんな滅茶苦茶な生活!」「そうじゃない。あの娘の親父さんは、こうなるのを狙ってる。それに屈服するということは、あの人に『彼女を想う気持ち』で負けたことになるぞ?」 「百ちゃんを、想う気持ち………。」  光司郎の顔から、みるみる生気が溢れてきた。 「そうだな、僕もっと頑張るよ!ありがとう天摩皇!」  光司郎は駆けていった。 「人間って、面白いなぁ………。」
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