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その日の夜、光司郎は身体中アザだらけで、所々出血し、とても無事とは言えない状態だった。
「どうしたね光司さん………。」
「いやぁそれがさぁ、なんもしてないのに男子生徒数人にリンチにあって………。」
光司郎の隣で赤チンを塗っている百、顔が横を向けば2センチのところにあるので、二人とも顔が赤い。
「いやぁ、困ったなぁ………。」
「わたしがなんとかしようか?」
「いやぁ、悪いよ………。」
「いやいや、おかっちゃんが言ってたんだて、弱きを助け、強きをくじけと、それが魂(女)だって………。」
「うん。ありがとう。僕も頑張るよ。」
反応が不自然だが、百は天然ボケなので、あまり気にしなかった。
翌日、二人が並んで登校しているのを、思いっきり学校の生徒に見られてしまった。
「お前ら、いったいなんなんだよ!?」
クラスメートの霧山善太郎が言った。この男は、よくいる典型的な高校生で、気さくな性格だが、やや女ったらしであり、今も百をニヤニヤしながら見ている。
「あぁ………。」
「ごめんなさいね。二人だけの秘密だすけ。ねー?」
百はニコニコしながら光司郎を見た。こうなれば答えはひとつしかない。
「ねー♥」
新婚さん雰囲気全開でイチャイチャしている二人に、霧山はあまりいい顔をしなかった。
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