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光司郎が百を案内しているとき、彼女の髪のあいだからちらつかせるものがあった。
「………あのさぁ、百さん?」
「はい?」
「それ、なに?」
彼女の髪のあいだからは、どう見ても狐の耳のようなものが見えていた。
「えっ!?あ………これは………。」
「………。」
「………。」
「………もしかして、君って妖怪………?」
なんとなくそんな質問をした。それが失敗だった。
「よく………、わかりましたね………。」
(えっ?マジ?まぁそうか………。)
さすがに少し戸惑っている光司郎。
「悪いこと訊いちゃったかな?」
「いいえ、光司さんには、知られても困りませんよ………。わたしは」
わたしはとは、どういうことだろうか………。
「わたしたちは、人間を制圧するために、結成した『妖魔連合』のスパイでしてね、人間に正体がバレれば、ばらした人を処刑し、ばれた者は追放されます。わたしは構いませんが、あなたは、あそこにいる方々に、殺されてしまうでしょう………。でもご安心ください。わたしが護りますから………。」
「………いや、女の子に守られてたんじゃ情けないし、それに、あれ見てよ………?」
光司郎が指差した方向には、無数の小鬼がいた。
「あ!こりゃあ大変だ!」
突然に慌てだす百。
「………僕に勝算はある?」
「72%ぐらいでしょうね。」
「意外に高いなぁ。」
「『あの人』の力を受け継いでいるから………。」
「まぁいいや、行くぞ!」
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