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光司郎は、両手を交差させ、大きな声で叫んだ。
「………変身!!」
すると、体が発光し、赤いボディ、鋭い鉤爪、長い背鰭、赤いマフラーをした怪物が現れた………。
「光司さん!?」
「僕が奴らをやっつけるよ!」
そういうと、彼は、小鬼たちに突っ込んで行った。
ある小鬼は、爪で顔を引き裂かれた………。
ある小鬼は、首をへし折られた………。
「きゃあっ!」
一匹の小鬼が、百に襲いかかった。
しかし………。
何かが飛んできて、小鬼をはね除けた。観ると、それは出刃包丁のような物だった。どうやら光司郎が投げたらしいが………。
よく見ると、彼の背中から大量の血液らしきものが流れていた。
出刃包丁のようなものは、彼の背骨が変形したものだったようだ。
「………はぁはぁ、今ので最後………か………。」
光司郎は倒れた。
「ちょっと………!?光司さん!?」
翌日………。
「………うぁ」
「あ、目を覚ましましたね?」
「………まぁ、こいつは我々ヴィシュヌの改造手術を施したから、ほっとけば治ってたがな。」
「赤城さん………。」
「病み上がりでナンなんだが、今日からあんたには地元に帰ってもらう………。」
「地元って……新潟に!?」
「ああ、新制基地を建設するから、その警備を頼む。こっちの百ちゃんと一緒にな。」
「………よろしくお願いします。」
「いえ、こちらこそ、」
仕方がないので、新幹線でとっとと行くことにした。
「ちょっと待ってください。」
「ん?どうしたんだね?」
「こっちに来てください。」
駅のトイレのドアを勢いよく開けた。
その先には、真っ暗闇が広がっていた。
「うわぁああああああああああああ!」
闇の中へ落ちていく光司郎。それを追うようにゆっくりと降りていく。
「ようこそ、黄泉の国へ………。」
巨大な鬼が目の前にいた。
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