再会、そして………。

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ここは黄泉の国 「これはどういうこと?てか、あんた誰?」 「わしゃあ毘沙門天、百の父だ。単刀直入に言おう。お前は死ねぇ」「光司さん。わたしをお嫁さんにしてください。」 「うぇっ?」 ほぼ真逆なことを言う親子。 「ななななにを!?」 「すいません。光司さんには、責任をとっていただきたいのです。」 「おめえ、娘になにしたんだ!?」 「ちがうわおとっちゃん。わたしは、正体を見られた以上、ここには居れません。でも、光司さんを殺してほしくない。だから、一緒に生きて、追放されても楽しく二人で生きたいんだわ。」 勝手に話を進める百。 「いや、わしの部下を殺すようなやつは許せん!わしがここで殺したる!」 巨大な毘沙門天は、光司目掛けて襲いかかった。 「ちょっと!僕の意志は!?」 「光司さん、逃げてください。この先の黄泉比良坂から、現世に戻れます!」 「くそっ!」 逃げる光司郎。 「おとっちゃん!あの小鬼は、わたしを狙ってたんだてば!それを光司さんは守ってくれた!なんでそれを殺すの!?」 「うるさいうるさいうるさい!あの男を生かしちゃおけん!」 黄泉比良坂へ歩き出した毘沙門天。 「いかん。光司さん!」 「くそっ!なんで僕がこんな目に……!」 (逃げるのか………?) 頭に言葉が響く。 「だ、誰?」 (お前がやらねば誰がやる………!?あの娘は、お前を逃がそうとしているが、かつてのように、助けてほしいのではないのか?) 「かつて………?」 (思い出せ!初めて力を得た、八年前を……!) 声は聞こえなくなった。 毘沙門天はすぐ近くまで来ていた。 「光司さん!逃げて!」 (八年前………?まさか、あの時の女の子はーーー) 光司郎は叫んだ。 「百ちゃん!もし君が、八年前に僕に会っていたなら!今回も、これからも、僕が君を守る!守ってみせる!ヘンシン!!」 怪物に変身した光司郎は、毘沙門天に襲いかかる。 「貴様ぁ!何者だ!?」 「通りすがりのバカだ!覚えておけ!」 「いかん!光司さん逃げて!」 「男に二言はない!」 「光司さん………♥」 光司郎は、毘沙門天の攻撃をかわし、隙を見つけ土下座した。 「娘さんを!僕にください!」
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