再会、そして………。

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 その瞬間、場の空気は大きく変わった、毘沙門天の顔は歪み、拳は震えている。 「………小僧。」 「は、はい!」 光司郎は、目の前の強大な存在が、更に強大になった気がした。 「百はなぁ………。わしの可愛い娘じゃあ!お前みたいなどこぞの馬の骨とも知れんガキにくれてやるかぁあああああ!」 本音を爆発させた毘沙門天。巨大な拳を光司郎に叩きつける。 「おまえなんか!おまえなんか!おまえなんか!」 身体中から赤黒い血を流している光司郎。 「………。」 「ん!?」 「もうその辺りにしておきなさいや。」 声の方を観ると、夕陽を背に受け、口笛を吹きながら歩いてくる男がいた………。黒い翼を持ち、身体中に刺青のある男だった。 「き、貴様は!天摩皇!?」 「やり方が汚いなぁ。俺が相手しようか………?」 どこか、自信満々に言う天摩皇。 「ふ、ふん!ここにはわしの部下の小鬼がたくさんいる!いくら貴様とて、この数には勝てんだろう!?」 軽く見積もっても、千はいそうな小鬼がいた。 「ほぅ、ころなら………?」 そこには、八万はいそうな悪魔の軍勢がいた。太陽の逆光で種別は分からないが、明らかな殺意を持っている。 「北を守護する鬼神と、一つの宇宙を支配する魔王。どちらが強いかな………?」 回りくどく、降伏しろと言っている天摩皇。 「わかった。今回は見逃す。………だがな小僧!お前に百を任せられる時まで、いくらでも殺しにいくからな!」 毘沙門天は何処かへ去っていった。 「ふぅ………。」 「大丈夫?光司さん?」 「ああ、なんとか、って、あんた誰!?」 「俺は天摩皇。一時期主人公をやっていたが、今回は、あんたらの助っ人だ。まぁ、こちら側の世界は俺にとって住みにくいから、手助けできるのは、妖怪の住処ぐらいだが………。」 「まぁ、いいや、よろしく。」 「ああ、よろしく。」 「ねぇ、光司さん。新潟に行かないと………。」 「あぁ。そうだね。」 二人の、波乱万丈の物語は始まったばかりである。
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