実家

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 階段を上がると、目覚まし時計はけたたましく鳴っていた。  真樹は電気を付ける。  そこは、いつもと変わらぬ屋根裏部屋。 「よし、とーめたっと」 「……」  二人は、同時にアラームを止めた。  ふと、千尋は時計を見て、思った。 あれ…?この時計、私の部屋の時計。あれ?荷物に入れた覚えが―「ほら、千尋。戻ろ!」  彼女の呼びかけに千尋は我に返った。 「う、うん、今行く!」  階段を降り始めていた真樹の所へ千尋は走った。 「あぁ電気電気っ!」  真樹が電気のスイッチを指差して、叫んだ。千尋は、慌てて身を翻し、電気を消した。 「?(今、部屋の四隅に何か、居た?)」  千尋は首を傾げ、見間違えだと思い、そそくさと屋根裏部屋を後にした。
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