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何故、こんな目覚まし時計のアラームごときに恐怖を感じるのか。千尋には良く分からないが、でも一つだけ分かる事があった。単調なリズムで且つ高めな音。ずっと聞いていると、背筋ではなく胸に寒気が起きてくるからだ。
沈黙。
「あ、亜希。海は…?」
『今、ビーチで気絶した子が起きるまで、パラソルの下…
(留巳、起きろよぉ....あぁ暑い....せっかくの海がぁ)
煩いよ、あんたら!あ、ごめん、聞こえた?』
「・・・うん、楽しそうだね」
千尋は、笑う。
「倒れたの、留巳ちゃんって子・・・なんかゴメンね」
『良いの良いの、気にしないで!あたしも面白がって見せたのが悪いのっ』
「(見せたんだ…)んじゃ、起きる事を願うよ」
『うん、ありがと、千尋!』
笑った。
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