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この家は屋根裏部屋付きで、私と真樹はいつも此処に寝ている。
母達は、一階。まぁニ階というものがない家だから、下と言った方が良いだろう。簡単に言えば、平屋だ。
「―ご馳走様でしたぁ!」
千尋は夕食も食べ終わり、風呂にも入って、和室でのんびりごろごろとしていた。
午後9時。
「ありゃもうこんな時間かぁ」
千尋はゴロリと寝返りをうった。
《ジリリリリリリリリリリリリリリ.....》
「おや、どっかの目覚まし時計が鳴ってるねぇ…?」
テーブルに腕を乗せる祖母は言った。
「千尋、この音。あんたのじゃない?」
「………」
杏子の言葉に千尋は、固まる。
今も尚、鳴り響いている時計。
すると
《ジリリリリピピピッピピピッリリリリリピピピッピピピッリリリリリ―》
「おやおや、真樹のも入り交じってるわよ」
テレビを見ていた杏子は笑う。
「ホントだぁ…ほら、千尋止めに行こう」
真樹は立ち上がると、横に寝そべる千尋の腕を引く。
千尋は渋々立ち上がると、真樹と共に屋根裏部屋への階段へと向かっていった。
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