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ギイギイ…
ドシャ
「イエーイ。新記録ッ!」
ブランコから勢いよく飛び降りた浦くんは、僕の方を向いてピースサインをした。
「浦くん、危ないよー」
座ったまま一定のリズムで漕ぐ僕を浦くんは少しつまらなそうに見る。
「桃~せっかくブランコ乗ってるなら記録に挑戦しようぜ?」
そう言ってまた立ち漕ぎを始める浦くん。
時々、サスケ~!だとか男達の戦いっ、とか叫んでいる。
ドッ…
「あー、駄目かぁ」
体操選手のように綺麗に着陸した浦くんを見て、僕もブランコの上に立ってみる。
「よし、僕もいってみる!」
実は、怖くて立ち漕ぎをあまりしないようにしていたけど、浦くんのゲームに僕も参加したくなって、恐る恐る板に立ってみた。
「もも~がんばれ~」
砂場に座り込んだまま声援を送る浦くん。
だんだんと高くなるにつれて恐怖心が出てくる。
「えいっ…!!」
ドシャ…
崩れるように落ちた僕は、正面から砂に埋もれて止まった。
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