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「貴方からの愛の言葉よ。翔夜。」
「え?」
愛の言葉?
俺が?翁に?
「翔夜?」
「あぁ、ごめん。でもよく解らなくて。」
「どうして?わたしと翔夜は恋人でしょう?」
「え!?」
俺と翁が恋人同士?
望んだ関係だ。
でも翁はいったいどうしてそう思ったんだ?
「嫌だ、わたしったら…。」
「どうしたんだい?」
「父様と母様が事故で星になった日にね、翔夜、一緒に暮らそうって言ってくれたでしょう?」
そう、一ヶ月前から俺と翁は同棲している。
一ヶ月前に翁の両親は互いに寄り添う星になった。
翁の両親は海が好きで、一ヶ月前のその日も灯台の近くから海を見ていたらしい。
まず翁の母親が足を踏み外して落ちた。
次に母親を助けようとした父親が落ちた。
そのまま海底に沈んで助からなかったらしい。
葬列には俺も呼ばれて、初対面の翁の叔母から事故の話を聞いた。
「まだ、14才なのに翁ちゃんが可愛そう。」
なんて心にもないことを嘘っぽい涙とともに流していた。
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