記憶―5

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*** 「…………うぅん……」 ルナは外の日の眩しさに、眼を覚ました。 そこはホテルの一室。 ぼんやりする頭で、ルナはようやく自分が今どこにいるのか、思い出した。 さっきのアレは、夢だったのか…。あまりに鮮明に覚えているため、またあの日に戻ったのかと思った。 「…懐かしいなぁ。お母様のことは、悲しいけど……、でもお姉さまがいて、レンがいて。2人とも元気かな…。」 ベッドの上で、膝を抱えて座りあの日の記憶をもう一度整理した。 いまだにあの処刑の記憶は、ルナにとってトラウマだ。もう暴走はしなくなったけど、頭が真っ白になって自分が判らなくなる。 いつか、それも克服するだろうと思っていたが、あれから4年たった今でも、まだ出来ていない。 「はぁぁ……。」 ルナはおもむろに、自分が書き続けてきた日誌を手に取る。 毎日欠かさず、自分が体験したことや感じたことを書いた。1年使ったら、それをまとめてセリナのところへ送っていた。 ただ、ルナにとって大事な部分は日誌から抜き取り、新たな日誌に加えている。 まだ5月だから、そんなにページは埋まってはいない。それらを一枚一枚めくっていく。  
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