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「…………うぅん……」
ルナは外の日の眩しさに、眼を覚ました。
そこはホテルの一室。
ぼんやりする頭で、ルナはようやく自分が今どこにいるのか、思い出した。
さっきのアレは、夢だったのか…。あまりに鮮明に覚えているため、またあの日に戻ったのかと思った。
「…懐かしいなぁ。お母様のことは、悲しいけど……、でもお姉さまがいて、レンがいて。2人とも元気かな…。」
ベッドの上で、膝を抱えて座りあの日の記憶をもう一度整理した。
いまだにあの処刑の記憶は、ルナにとってトラウマだ。もう暴走はしなくなったけど、頭が真っ白になって自分が判らなくなる。
いつか、それも克服するだろうと思っていたが、あれから4年たった今でも、まだ出来ていない。
「はぁぁ……。」
ルナはおもむろに、自分が書き続けてきた日誌を手に取る。
毎日欠かさず、自分が体験したことや感じたことを書いた。1年使ったら、それをまとめてセリナのところへ送っていた。
ただ、ルナにとって大事な部分は日誌から抜き取り、新たな日誌に加えている。
まだ5月だから、そんなにページは埋まってはいない。それらを一枚一枚めくっていく。
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