【No.1】織部誠一郎

3/4
前へ
/57ページ
次へ
  【君達が協力しあうのは自由。手を組んで殺人鬼に立ち向かうのは必然の流れだろう。 ただし、これだけは言っておく。 君達の誰が殺人鬼なのかは分からないし、殺人鬼も1人だけとは限らない】   「なんだそれ!?さっき1人って言ったろうが!」   【君達が最終的に殺すべきなのは1人だ。けれど他に殺人鬼がいないとは言ってない。だから――そうだね。さっきの殺人鬼の事は《ターゲット》と、呼ぶべきなのかもしれないな】     ……意味がよく分からねえ。   こーゆーインテリぶった喋り方をする奴が俺は嫌いだ。     【それはどうも。僕もどうやら君のような人間とは相容れないものを感じているよ】     ……思考が筒抜け……か。     【けれど担当者として君についた以上、僕は自分の役目についてはきっちりと果たすけどね。 だから、そろそろ忠告しておこう。ここを離れたほうがいい】   「あ?なんでよ?」   【……鈍いやつだな。さっきから言ってるだろう。モニタリング中は君の情報は全てのモニター達に渡ってるんだ。《ターゲット》にもね。つまり――】     その言葉に俺ははっとした。   って事は……俺がどんな場所にいるかも……全員に分かるって事か!やべえ!   俺は慌てて、ベンチから立ち上がると走り出す。  
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加