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【そう、それでいい。ちょうど時間もきたようだ。
それじゃ――最後になったけど、あらためて自己紹介をしとこうか。僕の事はボイス、と呼んでくれればいい】
くっそ、なんだこいつ?明らかに偽名だし、ネーミングセンスも全くねえ。
しかも……まだ説明は中途半端のままだ。
【……悪かったな。まあ説明の続きは他のモニターを見ていればおいおい分かっていくさ。それより、君をなんて呼ぼう】
ソングでもマウスでも好きに呼びゃあいいだろうが!
【ふぅ……。なかなかひねくれた奴だな。織部 誠一郎。名前負けしてないか?】
こ、こいつ……なんで俺の名前を――!!
【まあそれは――次に会話をする時に話そうか。
君がその時まで生きていればね】
走り続ける俺の頭にそんな縁起でもない言葉が響いた。
くそったれ。わけがわからねえ。
けれど――これは「本気」だ。それだけはもう分かった。
まさに体感して。
俺は……この異常事態を自分なりに分析する必要がある。
ちゃんと。
そして、その電子音が告げる。
【モニターが切り替わりました】
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