少年は飛び立つ

5/11
前へ
/470ページ
次へ
どうやら二人は 啓司に講義もどきの話を聞いているらしい。 「まぁ色んな大陸や、君の母や父の話の他に古い英雄の話はあったりするが、それは次回にしよう」 啓司は微笑むと二人の為にお茶をいれた。 「啓司さんの話はとても興味深いね、いつも楽しいよ」 カオスはにこやかに啓司のいれてくれたお茶を飲む。隣のサクラもこくこくとうなずきながらお茶を啜る。 「王立学園の秀才にお褒め頂けるとは嬉しいね」 啓司はにこやかに話返す。 「啓司さん、何故貴方はここにいるんです?貴方だったらお城の役職にだってつけるのに、父の仲間なんだし」 カオスは不思議そうに首をかしげる 「はは、まぁカルマの側近というのも悪くはないが、私は権力にはまるで興味がないんだ、王の側にいるというならばそれだけで強い力があるということになる、勿論カルマが権力を行使するとは思えないが、私は勇者の仲間でもなく、王の側近ではなく、只の一般人の王の友人がいいのだよ、知識欲を満たすならば分け隔てなく誰かと接したいからね」 啓司がにこりと笑うと、カオスは納得したように頷いた。 「ま、昔とった杵柄で本屋なんてやらせてもらってるしね、なかなか楽しいよ、それよりも二人はまたあの話が聞きたいのかな?」 啓司の言葉に二人は思い切り頷く 啓司は穏やかに二人の様子を見ながら言葉を紡ぐ。
/470ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3258人が本棚に入れています
本棚に追加