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マクベス城
玉座の間
「ふふーん、そろそろ終わる頃かなー」
勇者の父親である王様は自慢のカイゼル髭をなでながらつぶやいている。
王様の容姿はまぁ皆が想像するようなありきたりな格好である。
まー勇者の父親にしては実に平凡だ。
妻である妃は今は不在のようだ。
「たくっ、なんでうちの国は一夫多妻制じゃないんだろ、ミランダ(魔王母)も、ジェーン(王妃)も嫁にするのに」
とりあえずこの男は女の敵であるらしい。
「むっ!」
王様はふいに上空に気配を感じて顔を上にあげると、
ドゲシ
足で踏み付けられた。
「オヤジ、とりあえず玉座を譲り渡せ」
黒刀を肩にとんとんと乗せて勇者は実父である王様をぐりぐりと踏みつけていた。
「む、息子よ、何故魔王と共にいる」
踏みつけられいる王様は隣にいる魔王を見ながら言う。
「っていうか娘の方じゃないか!!!」
「ああ、もうね、魔王の母さん、娘に座を譲ったんだわ」
「な、なんだってー!!!」
王様の顔が真っ青になった。
「二股の精算できなくて残念だったな」
勇者とはいえない凶悪な笑顔で刀を構える。
「な、何故それを!!」
「少なくとも民全員は知ってるよ、愚父が」
「新しい言葉出たー!!!」
「とりあえず刀鍛えてくれた妖精王とドワーフの頭は一思いに殺害寸前までやっていいと言われてっから」
勇者がさらに凶悪な顔をして
「軽くあの世で懺悔してこい、女の敵が、六股野郎」
「何で知ってるー!!!」
「黙れ、下朗が」
刀は黒く煌めき王様に直撃すると共に爆炎に包まれて天井をすっぽ抜けて飛んでいった!!
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