序章

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「あんれー、王様また息子さんの逆鱗にふれたんけー」 「聞いてくれる?ゲンさん、うちの子反抗期なの」 「16なら当たり前だっぺよ、そもそも王様が昔お盛んだったツケだべよー」 「ぐっ、一本取られた」 「王様は国の為によくしでぐれんのに、なんで女関係はあれなんだっぺねー」 「ママ以外はきちんと避妊してるよ」 「そんな問題じゃねーべ」 王様は吹き飛ばされ、マクベス国郊外にある湖畔の民家にいるゲンさん(65)と仲良く話していた。 「しかし見事にアフロだわねー」 「流行るかな」 「流行らねーわな」 魔王と勇者が結婚するという情報は瞬く間に大陸全土に広がった、元々魔界と人間界は友好的な関係であったし、妖精界、天界においてもそれは同じで、二人の結婚はさらなる異世界との絆の発展になると歓迎された。 何よりも歴代最強の勇者と賢者と称された魔王の娘との結婚によって生まれる子供に注目がいった。 古来より聖の血筋と魔の血筋が交わると世界を崩壊させるほどの破壊者か世界を創造できるほどの救済者が生まれると言われている。 ある世界の要人がその危惧を伝えた所、カルマははっと笑った。 「そんなもん知るか、破壊者だろうと救済者だろうとサラと俺の子だ、世界を敵に回しても守るに決まってる、最初から怯えてたら親として最悪だろ、それに力の使い方なんて親が教えてやりゃーいいじゃねーか」 カルマの言葉にサラは微笑み、その要人は自分の浅はかさを謝罪した。
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